株式会社ジャクエツ 「季刊ブンカ」Vol.94 2024
敦賀工業高校1年生と行ったワークショップの様子。新聞紙をちぎって細くしロープに引っ掛けた後、どのチームがブロックを一番高く積みあげられるかを競った。大学教授とジャクエツが考えた、遊びの先にある協働を意識する教育プログラム。
子ども向け遊具を製造販売するジャクエツは、今年5月、地元高校生や市民と一緒に北陸新幹線敦賀延伸開業を記念したウェルカムボード作りに挑戦しました。自社製のブロックを使用したボードは、細部まで表現した気比神宮大鳥居と松の木や、透明ブロックを米に見立てたソースかつ丼など、高校生たちの独創的なアイデアが好評。同社経営企画室課長赤石洋平さんは「作った人の楽しい気持ちが伝わるデザイン性の高い作品。大人にもブロック遊びの魅力が伝わりました」と話します。
ワークショップは、今後対象を拡大して本格化。自社工場の一部を解放し、市内の学校や園の関係者、企業などからの工場見学を受け入れ、社員と共に手を動かして”本気で遊ぶ”イベントになります。背景には「未来はあそびの中にあると信じ、そうしたコンセプトをもって遊具作りをしている会社が敦賀市にあることを広く知ってもらいたい」という強い想いがあります。
工場内には国内外の著名なアーティストの作品が飾られ、世界的に活躍するデザイナーや建築家とのコラボレーションを行った際のイメージボードも展示されています。創業100年を超える同社の商品は史料的価値が高く、敦賀市の歴史をのぞかせる一面も。2019年に完成したおしゃれで開放的な本社オフィスは、美意識を育てる空間そのもの。デザインワークショップや見学会を通してまちとつながろうとする企業の、心意気と今後をうかがうことができます。
株式会社ジャクエツ
1916年創業。保育教材の企画・開発・製造を中心に、あそびを軸とする共遊空間を活用した、まちづくりや施設づくりのコンサルティング事業を手がける。キッズデザイン賞、グッドデザイン賞など受賞多数。
公式サイト | https://www.jakuets.co.jp/ |
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場所 | 敦賀市若葉町2-1770 |